ピストンに求められる性能と、交換によって得られる性能と味わいについてお伝えします。
イメージとはことなり、ハーレーのピストンに求められる要求は過酷です。
ゆったりと走るハーレーでもピストンスピードは、200馬力を発生させるSSにせまるスピードで上下運動している
ハーレーこそ最先端のピストンが必要
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ピストンの役割
ピストンはシリンダーヘッドの燃焼室で得たエネルギーを、シリンダー内を往復することによってクランクシャフトの回転力へ繋げます。
- 吸気
- 圧縮
- 燃焼
- 排気
上記の行程(4ストローク)で、ピストンの上下運動をフライホイールの回転エネルギーに変換し、下図の重いフライホイールを回しハーレーらしさといわれる鼓動感や粘りのある低速トルクを得ます。
この重いフライホイールを力強く回すには高性能なピストンが必要になる。
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ハーレーのピストンスピードはSSにせまる速さ
回転数だけを見れば、ハーレーは低回転のエンジンでゆったりしたイメージです。
しかし、エンジン内部に求められる要求は最先端のテクノロジーを必要とします。
ピストンスピードはハーレーとCBR1000RRを比較すると、回転数は半分でも、ピストンスピードはCBR1000RRにせまるスピードです。
車名 | ピストン平均スピード | ストローク | 回転数 | |
TC96 | 20m/s | 111.13mm | 5,500 | |
CBR1000RR | 24m/s | 55.1mm | 13,000 |
このスピードで上下運動するピストンは、少しのフリクション(抵抗)でも強いストレスに変わり、そのストレスが高熱になりエンジンにダメージを残します。
フリクション(抵抗)が少なければ燃焼室で得たエネルギーをフライホイールへ無駄なく伝えられよりハーレーらしさを得ることができます。
4カムエンジンのスポーツスターは、レブだとピストンは1秒間に100往復もします。
ハーレーに求められるピストンは最先端のピストンと同等
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ピストン交換によって得られるハーレーの味わい
フリクションの低いピストン:燃焼圧力が効率よくフライホイールに伝わり、鼓動感が強く、排気音も強い
フリクションの高いピストン:鼓動感が弱く、排気音も弱い
高性能のピストンは、低回転から高回転まで力強くスムーズに往復運動し、空冷大排気量エンジンの豪快な加速と粘りのある低速トルクが発生します。
ハーレーの理想とも言えるフィーリングとパフォーマンスが発揮されます。
さらなるハーレーらしさを求めるには、高性能な低フリクションピストンが必要
ピストンは高温・高圧の中で過酷な性能を求められる
高温、高圧な環境のピストンでは下記の性能が必要です。
- 高い強度:あらゆる条件で負荷に耐えられる
- 摩擦係数が低い:高効率でロングライフになる
- 膨張変形が少ない:クリアランスが安定し、摩擦による摩耗が一定を保てる
- 軽量:レスポンスが良くなる
- 放熱性:金属変形による強度低下、金属疲労が抑えられる
これらの条件をみたす材料は、アルミニウム合金で製造方法は鍛造ピストンです。
アルミ合金は熱膨張係数が大きいですが、TCからクーリングジェットが採用され、大幅に熱膨張を抑えられるようになりました。
※クーリングジェット:クランクケース内でエンジンオイルをピストン下に噴射して冷却と潤滑を高める方式
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ピストンリングはエンジンの低フリクション化に超重要
エンジン内部のフリクションは、ピストンリングがもっとも大きい
フリクションを減らすためには、シリンダーとのクリアランスを広くすれば良いですが、ピストンリングの一番の役割の圧力が抜けてしまいます。
狭くすれば気密性は高まりますが、フリクションが高くなってしまいます。
ピストンリングはフリクションを減らしながら、シール性を保つという難しい要求をクリアする必要があり、ピストン以上に特殊なノウハウがピストンリングには求められます。
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3本のピストンリングの働き
- 燃焼室で発生する、燃焼圧力を受け止め、燃焼室から圧力が抜けないようにシール性を保つ
- シリンダー壁面に付着するカーボンをかき落とす
- オイルをシリンダー壁面に均一に塗布
- ピストンの熱をシリンダーへ逃がす
- オイルをシリンダー壁面からかき落とす
■トップコンプレッションリング
高速で運動するピストンと、シリンダー間を埋めることで、圧縮を高め燃焼効率を上げます。強い燃焼圧力に耐え、熱をシリンダーへと逃がす役割も求められます。
■セカンドコンプレッションリング
トップリングとオイルリングのサポート的な役割を果たして、シール性を保ち付着したカーボン・オイルをかき落とす役割です。
レーサーなどでは、低フリクション・首振り低減・低重心化の目的で、セカンドリングを省略するケースがありますが、通常使用ではオイル上がり・ブローバイガス増加等があるのでメリットはない。
■オイルコントロールリング
シリンダー内をオイルで適度に潤す、オイル量を絶妙にコントロールする。
上昇時にはオイルを塗布し潤滑させる。下降時には潤滑で使用した無駄なオイルをかき落とすが、トップリングが潤滑させる程度には残す。
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多くの機能を求められるピストンピン
腰上で得たエネルギーのすべてを腰下へ伝える。ピストンのパーツのなかでも要となる重要なパーツです。
高強度・低膨張・軽量・放熱性・スタビライザー効果など、多くの機能を求められ、重量・重心に大きな影響があるの超重要パーツです。
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さらに求められるピストン性能
- ピストン
- ピストンリング
- ピストンピン
エンジンの心臓部のシリンダーヘッドと同等に重要パーツです。
しかもピストンには上記に記載した役割だけではなく、燃焼ガスをエキパイに流す排気の役割もあります。
ということは、ピストンの性能はマフラーまで続いています。
すべてを知る必要はありませんが、カスタム・チューニング・メンテナンスをするさいに原理を知っていれば、ハーレーを調子良く保てることができると思います。
ぜひ、ピストン交換の際には高性能なピストンを選んでください。よりハーレーらしくなりエンジンのパフォーマンスが向上します。
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今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ARIGATO BIKE
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