- ハイカムを入れると、馬力やトルクが上がると言うけど、いったいどんなパーツなの?
- なぜ、ハーレーのショップや雑誌、ネットでもハイカムをすすめるのか?
こういった疑問にお答えします。
- カムが変わると、エンジン特性が変わる
- ハーレーにハイカムをすすめる理由
- ハイカム以外にも馬力・トルクを上げる方法はある
ハイカムのプロフィールなどの詳細を知りたい方は、こちらの性能と味わいに直結する!ハイカム カムプロフィールと選び方を読んでみてください。
では、ハイカムとはどんなパーツで、交換するとどういった効果があるのかを、画像やイラストを添えて解説していきたいと思います。
ハイカムとは?
カムの形状が変わるとエンジン特性が変わる
カムとは上図の、楕円の形をした箇所を指します。
カムの仕事は、エンジンの吸気バルブと、排気バルブの開閉に使用されるパーツです。
- 吸気バルブ:エンジンに混合気を入れるために開くバルブ
- 排気バルブ:エンジンで燃焼した排気ガスを出すために開くバルブ
このバルブの開く量や、開いている時間、バルブの開くタイミング、閉じるタイミングなどを変え、混合気の量を増やしエンジン特性を変更させます。
この楕円の形を変え特性を変更するパーツを、ハイカムと呼びます。
上の図の青い箇所がカムのポイントになる箇所です。
カムの高さをリフトと呼び、カムの作用角をデュレーションと呼びます。
リフトを高くすることをハイリフトと呼び、効果は吸気バルブを高く開くことができ、多くの混合気を取り入れることが出来ます。
デュレーションの作用角を多くすることを、ハイデュレーションと呼び、効果は吸気バルブが開いている時間が長くなり、より多くの混合気を取り入れることが出来ます。
デュレーションを大きくとると、吸気と排気のバルブが両方開くタイミングが生まれます。
これをオーバーラップと呼び、高回転時の混合気の充填効率が向上します。下図のように吸気バルブと排気バルブが重なる箇所が多いと、オーバーラップが多い高回転向けのハイカムになります。
この3つの要素を取り入れたものをハイカムと呼びます。
ハイカムは、エンジン内に多くの混合気を取り入れて馬力、トルクをあげ、出力が最大になる回転数を変えることを目的としています。
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ハーレーのノーマルカムの特徴
インジェクションと同じように、最大1気筒900cc以上の空冷エンジンが排出するガスをコントロールすることは極めて困難です。
そのためノーマルカムは、排ガス規制をクリアする為に、排気量分の空気を吸えないように制限しています。
ノーマルのエアクリーナーも同じように、多くの空気を吸えないように小さな入口にしています。
多く吸えなければ排出するガスの量も減ります。
年式にもよりますが、TCの高年式はカムのオーバーラップがあったり、TC96だとなかったりもしますが、基本的には厳しい排ガス規制をクリアするため、空気をたくさん吸えないカムを採用しています。
なぜハーレーはハイカムをすすめるのか?
水冷エンジンでは極端に出力を制限しなくても、厳しい排ガス規制をクリアできるため、レース仕様でなければ、まずハイカムをすすめることはありません。
しかしハーレーの場合は厳しい排ガス規制のために、空気をたくさん吸えないカムを使用し、出力を落としています。
カムをハイリフト・ハイデュレーションのハイカムにすることによって、排気量に見合った空気を吸えるようにして馬力、トルクが上げます。
ハーレーでハイカムをすすめる理由は、制限されていたエンジン出力をもとに戻すためです。
通常、ハイカムは高回転時の出力向上に使用されますが、ハーレーの場合は極端に出力を落としていたので、低回転時でも効果を発揮します。
ハイカムは低中回転向き、高回転向きなど、エンジンの最大出力の回転数も変える事ができます。
低中回転向きのハイカムでも、体感できるのは3,000回転以上からだと思います。
敏感な方は2,000回転でも体感できると思います。
あまり回さないかたは、もしかするとハイカムの恩恵は感じにくいかもしれません。
その場合は、ハイカムではなくエンジンの心臓部のシリンダーヘッドのチューニングの方が適しているかもしれません。
シリンダーヘッドについては、こちらの、シリンダーヘッドの高効率化でパフォーマンスアップ!を読んでみてください。
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ハイカム以外の馬力・トルクアップ方法はシリンダーヘッド
馬力・トルクを上げるのはハイカムだけではなく、シリンダーヘッドのチューニングもあります。
シリンダーヘッドのチューニングの特徴は、吸気効率が全域であがるので、全ての回転域でパフォーマンスアップが可能です。
それに合わせたハイカムだと排気量アップ以上のパフォーマンスを感じられるほど、シリンダーヘッドはエンジンチューニングの要のカスタムです。
その他にも、ビッグボアスロットルボディ、ピストンなど多くあります。
詳しくは、下記の記事に記載しましたので、読んでみてください。
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まとめ
空冷大排気量エンジンの豪快な加速を味わいたい方は、ハイカムは飛躍的に馬力があがるのでおすすめします。
ビッグツインは巨大な低速トルクを感じ、俊敏な4CAMスポーツスターは高回転まで続くパワーを感じる事ができます。
ハイカムの選定は、どういうふうに乗るか?どの回転域を使用しているか?今後どういうカスタムするか?など非常に多くの要素を確定した上で選定します。
そのため、シャシダイに載せて計測し数値化してメカニックに伝えたほうが、自分にあったエンジン特性が手に入ります。
ピークパワーに目が行きがちですが、ハイカムの選定にはカムプロフィール(カムの特性)を正確に読む知識が必要になります。
必ずプロショップに確認してください。
そのうえで、乗り方に合ったハイカムにすると、自分が感じていたハーレーの魅力が倍以上に感じるほど、エンジン特性が変わります。
ハイカムはとても魅力的なカスタムなので、しっかりと情報を集めた上で決定してください。
今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ARIGATO BIKE
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