- TC88のカムギア化は、どれくらいの距離でやったほうが良い?
- 油圧式のTC96でも、カムギア化は必要なの?
- TC88のカムギア化の、工賃や費用はどれくらい?
こういった疑問にお答えします。
結論から先にいうと、TC88なら4万km以上でテンショナーの破損の恐れがあるので、カムカバーを外して確認する必要があります。
TC96以降は油圧式になったので、走り方次第では10万kmぐらい持つ可能性はあります。
しかし、ツインカムの弱点はカムチェーンテンショナーなので、カムギア化した方が耐久性もパワー、鼓動感もあがるのでおすすめします。
費用は、カムサポート・オイルポンプを交換しなければ工賃込みで20万前後ぐらいでしょう。
それでは、具体的にテンショナーの寿命と確認方法、費用などを説明します。
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ツインカムの一番の弱点は、カムチェーンテンショナー
カムチェーンテンショナーは、TC88のスプリング式と、TC96以降の油圧式の2種類あります。
どちらも同じようなテンショナーを使用しますが、TC88のスプリング式は適切なテンションを加えられず、4万km以降は破損の恐れがあります。
スプリング式を油圧式に変更するキットもありますが、パーツ代で10万円は超えるので、ハーレーの魅力を引き出せるギア式がベストだと思います。
テンショナーの破損はエンジンに致命的なダメージになるので、カムギアにするなら早めの交換を検討してください。
TC96以降も、愛車のハーレーを長く使用するなら、パワー、鼓動感が上がり、トラブルのないカムギアにした方がベストです。
ノーマルカムは、ノーマルのエアクリーナーと同じように、排気量分の混合気が入ってくることができません(排ガス規制の為)
カムギアにすれば、排気量に見合った混合気を吸えるようになるので、パワーも鼓動感もあがり、よりハーレーらしくなります。
カムギア化は、エンジンに致命的なダメージを残す可能性があるテンショナーを外し、パワーを上げるハイカムにするため、耐久性と性能が向上する
なぜ、ツインカムはチューン式カム駆動を採用したのか?
カムギアの方が性能・精度・メンテナンスの面でチェーン式を上回っていましたが「ギア式の一番のデメリットは作動音が大きい」(人間が聞こえるほどの音ではなく計測器で拾えるレベル)
この作動音の大きさが、規制をクリアするための大きな壁になりました。
そのためハーレーダビッドソン社は、サイレントチューン式カム駆動を採用し、厳しい規制をクリアしました。
しかし、サイレントチューンは、作動音が小さくても多くのデメリットがあります。
- カム動作にタイムラグが生じ、アクセルレスポンスがわるい
- チェーンテンションスライダーが摩耗し、一部が欠落しオイル通路を塞ぎ、焼き付かせる可能性がある
- 強いテンションのため、フリクションが高く燃費もパワーも落ちる
- 始動時のスターターに負荷が高い
ハーレーがサイレントチェーンを採用したのは、名前の通り作動音低減のためで、性能や耐久性の向上ではありません。
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ツインカムのカムギア化のメリットは耐久性と性能向上
ギア式のハイカムにすれば、カムチェーンテンショナーの破損がなくなります。
さらにノーマルカムでは味わえない、低回転で粘りのあるドコッドコッとした、低速トルクが強くなります。
一般的にハイカムは、高回転の充填効率向上の為ですが、ハーレーの場合は極端にリフト量が低く、デュレーションが短いために、ハイカムに交換すると全域においてパフォーマンス(馬力・トルク)が向上します。
加速したい時に、空冷大排気量エンジンの迫力ある加速が、味わえるようになります。
S&Sとアンドリュースが共同開発したカムギアならノイズもほぼ発生しないのでおすすめします。
※車検時に作動音の検査項目はありません
TC88のテンショナーの40,000kmの摩耗具合
下記は過酷な例です。
4万キロ以上でシューが減っていないケースも多くありますが、カムカバーを開けての確認は必要です。
38,000km
42,000km
高い回転数やストップ・アンド・ゴー(停止と発進)を、繰り返すような乗り方の場合は、ハーレーダビッドソン社が想定した距離よりも早く摩耗します。
カムカバーを開けないと摩耗がわからないと、よく言われますが、わかりにくいですが音で推測できます。
方法は、ニュートラルでアクセルを開け、アクセルを戻した時に異音が出やすい傾向がありますので、4万キロ以上走行している場合は確認しましょう。
日頃から異音に気付けるよう、正常な状態を覚えるようにしてください。
ハイカムは、ノーマルと同じチェーンとギア式がありますが、故障のリスクが減り、更にパワー・トルクアップして、ハーレーらしさが増すのはギア式です。メリットしかありません。
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TC88カムギア化の工賃と費用
カムギアのみなら、総額の費用は18万円ほどかかります。
■パーツ代¥180,000円
■カムギアの工賃(マフラー脱着含め)・ガスケット(ロッカーカバー等も含め)・油脂類 ¥70,000
■総額 ¥~200,000円((参考)パーツ持ち込みでない場合)
カムプレートとオイルポンプを交換する場合は、総額で30万前後はかかりますが、工賃は上乗せされないので、ハイカムのついでに行ったほうが安く済みます。
ハイカムのパフォーマンスアップについて、詳細な記事がありますので、こちらの、性能と味わいに直結するハイカム!カムプロフィールと選び方を読んでみて下さい。
まとめ
ツインカムは非常に信頼性が高く、性能も高いエンジンです。
しかし、課題はゼロではありません。
作動音の低くするために、カムをギアドライブではなく、デメリットの多いサイレントチェーンを採用し、さらにタイヤの空気圧を高くして接地面を減らして作動音を下げています。
その他にも空冷大排気量エンジンを、現在の厳しい規制に合わせるために、苦肉の策ともいえる対策をしています。
それでも、この厳しい状況のなか、新型の空冷大排気量エンジンをリリースしてくれたのは、本当にうれしいです。
妥協した箇所を変えてしまえば、ツインカムの魅力は簡単に引き出せますし、現時点ではミルウォーキーエイトよりも、ツインカムの方が優れています。
ツインカムで三拍子にしたい方は、詳細な記事がありますので、こちらのツインカムで3拍子を!深い味わいを引き出す10の方法を読んでみて下さい。
ハーレーは長く乗れるバイクです。
自分が感じる最高のハーレーダビッドソンにしましょう。
今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ARIGATO BIKE
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