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【ハーレーのインジェクション知識】O2センサーとは?故障の原因や外し方も説明

ハーレー O2センサー 故障 外し方
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  • ハーレーのインジェクションチューニングのときにO2センサーって聞くけど、何のためのセンサーなの?
  • ナローバンドとワイドバンドO2センサーの違いや、どのようなメリットがあるのかわからない
  • O2センサーの故障、耐久性、価格、外し方の手順は?

こういった疑問にお答えします。

インジェクションチューニングをするさいに、必ず”燃調”や”O2センサー”などの用語が出てきますが、エンジンに詳しくないと知らない用語だと思います。

しかし、O2センサーは2007年以降のハーレーには取り付けられているので、知っておい損はありません。

”燃調” については、詳細な記事がありますので、こちらの【ハーレー初心者の疑問】ハーレーの燃調とは何か?わかりやすく説明!を読んでみてください。

O2センサーは、2007年以降のすべてのハーレーに装着されたので、ベテランのハーレー乗りでも詳しくない方は多いと思います。

O2センサーはマフラーから排出された酸素を検知して、その酸素の量で空燃比を確認しエンジンに供給するガソリン量の判断に使用されるセンサーです。

  • ナローバンドO2センサー(ノーマルコンピューターで使用):理論空燃比の14.7付近のみ検知し、その値をコンピュータに送る
  • ワイドバンドO2センサー(フルコンで使用):常に空燃比を検知し、その値をコンピュータに送りつづける

インジェクション車両は「できるだけ多くの正確なセンサーがあるかどうか」が、ポイントになります。

この記事では、ノーマルコンピューターで使用されるナローバンドO2センサーと、フルコンで使用されるワイドバンドO2センサーの違いやメリット、故障の原因や外し方を説明します。

ハーレーのO2センサーとは

ハーレー O2センサー

O2センサー(oxygen sensor)とは、排気ガスに含まれる酸素を検知して、エンジンの空燃比や燃焼状態を把握するためのセンサーです。

エキゾーストパイプの根本にO2センサーが付いています。

エンジンから排出された酸素をO2センサーで検知して、そのデータをコンピュータ(ECM)に送ります。

O2センサーで送られてきたデータをもとに、コンピュータ(ECM)がエンジンの空燃比、燃焼状態を把握し、最適なガソリン量を決めインジェクターでガソリンを噴射させます。

ハーレー O2センサー

純正のハーレーに使用されているO2センサーはナローバンドO2センサーといい、ガソリンと空気が過不足なく反応する状態の、理論空燃比(排ガス規制のクリア基準)になっているかどうかを判断します。

理論空燃比の状態は、ガソリン1gに対して空気が14.7gの状態です(14.7:1)

ナローバンドO2センサーは、空気が14.7gよりも多いか少ないかの(濃い・薄い)どちらかを検知してコンピュータに信号を送ります。

ナローバンドとワイドバンドO2センサーの違い

ハーレーのO2センサー

O2センサーには2種類あります。

  • ナローバンドO2センサー:理論空燃比を検知した時のみ、コンピュータに信号を送る
  • ワイドバンドO2センサー:常に空燃比を検知して、コンピュータに信号を送りつづける

純正コンピュータで使用されているO2センサーはナローバンドで、フラッシュチューニング中や、フルコンを使用する場合にワイドバンドO2センサーを使用します。




排出された酸素を広範囲に把握できると、緻密(ちみつ)な制御ができる

ハーレーのナローバンドO2センサー

ノーマルのナローバンドO2センサーは、理論空燃比の14.7付近のみ検知します。

理論空燃比の状態だと、排気ガスを綺麗にする触媒(マフラー)が効率良く働きます。

ハーレーのナローバンドO2センサーは、ナローバンドO2センサーは排ガス規制をクリアするために、理論空燃比になっているかを検知するために装着されています。

そのため、走行中は理論空燃比よりも値が離れているので働いていません。

それに対して、ワイドバンドO2センサーは、広範囲に酸素の量を検知できるため、常にエンジンの空燃比や燃焼状態を把握できます。

ハーレーのワイドバンドO2センサー

把握できた空燃比や燃焼状態を、常時コンピュータにフィードバックすることで、より緻密な制御ができるようになります。

  • 始動時:11
  • 出力最大:12~13.5
  • アイドリング・燃費:13~14
  • ナローバンドO2センサー:排ガス規制クリアのために使用され、理論空燃比付近を検知する。
  • ワイドバンドO2センサー:常に空燃比の信号が出し、その信号のもと細かくガソリン量を噴射し、空燃比がずれないように使用されている。

つまり、使用される目的が “理論空燃比と最適な空燃比” で、同じセンサーでも役割がまったく異なるということです。

ハーレーの空燃比
ハーレーのO2センサー

ナローバンドO2センサーが検知できる値

  • 理論空燃比:14.7付近

排ガス規制クリアするために使用されているのが”ナローバンドO2センサー”。

エンジンの空燃比

  • 始動時:11
  • 出力最大:12~13.5
  • アイドリング・燃費:13~14

全ての値を読み取れるために使用されているのが”ワイドバンドO2センサー”。




O2センサーの故障・耐久性・取り外し手順

ハーレー O2センサー 故障 外し方

ナローバンドのO2センサーの推奨交換時期は、45,000Km~80,000Kmですが、取り扱いを間違えると簡単に壊れます。

O2センサーの故障・トラブル・劣化の原因

  • カーボン・ススの体積(混合気が濃すぎる)
  • ねじり・ひっぱりで断線
  • O2センサー・カプラーへの水分の侵入でショート(O2センサーは上部に取り付ける)
  • マフラー交換時に、O2センサーについたゴミ・油脂などで、読み取り不良

O2センサーの取り外しは、必ずカプラーを先に抜く

  • カプラーを抜く
  • O2センサーをマフラーからはずす
  • 先端のセンサーにさわらずにザルなどに保管する

O2センサーの取り外しは、先端のセンサーにはさわらずに丁寧に取り外し、フロント・リアを間違えずにゴミや油脂が付着しにくいザルなどにいれて、一時保管してください。

ハーレー O2センサー入れ

故障させるとコンピューターの設定も必要になるので、気をつけてください。

O2センサーの参考価格

  • ナローバンドO2センサー:8,000円
  • ワイドバンドO2センサー:15,000円※ナローバンド、ワイドバンドO2センサーともに社外品の価格

ワイドバンドO2センサーは壊れやすいと聞きますが、実は壊しているケースがほとんどです。

緻密さを求められるO2センサーをメンテナンスせずに使い続けさせるショップ側に責任があると思われます。

私は、ワイドバンドO2センサーを使用し3台25万km以上使用し故障はありません。(適切な交換時期に交換はしてます)

純正のナローバンドO2センサーを使用するフラッシュチューニング

ハーレー フラッシュチューニング 価格

フラッシュチューニングは、純正と同じナローバンドO2センサーを使用します。

ナローバンドO2センサーだと、14.7前後の理論空燃比しか測れないため、始動時の濃い空燃比や、一番パワーがでる13前後の空燃比を測ることができません。

そのため、チューニング中のみワイドバンドO2センサーを、エキゾーストパイプに取り付け使用します(マフラーエンドに挿入する場合もある)

チューニングが終わったらナローバンドO2センサーに戻します。

少しでもチューニングにズレや標高差があるツーリングだと、ワイドバンドO2センサーのようにフィードバックを受けられないので、調子が悪くなるケースはあります。

エアクリーナー、マフラー、ハイカム程度のライトチューンであれば、プロチューナーによるチューニングでは、フラッシュチューニング、フルコンともに同じ性能を発揮します。

ただし、大幅に性能を変える場合はフルコンの方が適しています。

フルコンが適しているカスタム
  • レース仕様
  • ボアアップ・ストローカー
  • ヘッドチューン・圧縮比変更・インテーク、エキゾーストバルブ径変更
  • モディファイドカム
  • ビッグスロットルボディ・ツインインジェクション
  • ピストン・ヘビーウエイトフライホイール
  • ターボ・スーパーチャージャー

上記を複合的にチューニングする場合は、純正コンピュータではセッティングできる項目が少ないため、豊富なセッティング項目があるフルコンが必要になります。

通常のカスタム(吸排気・ボルトインカム)であれば、フラッシュチューニングとフルコンの性能差はありません。

フラッシュチューニングについては、詳細な記事がありますので、こちらの、【フラッシュチューニング】データの精度はどれがベスト?も読んでみてください。




ワイドバンドO2センサーに交換して使用するフルコン

ハーレー インジェクション フルコン

ワイドバンドO2センサーは、すべての空燃比を検知できるのでチューニング時や、高度な制御をするためにフルコンで使用されます。

フルコンは、フラッシュチューニングが使用する純正コンピュータと比べ、セッティングできる項目が多く、純正コンピュータでは想定していない仕様でもチューニングが可能です。

そのためにコンピュータをまるごと交換します。

フルコンは、負圧を見てガソリン量を決めるのではなく、マフラーから排出される酸素量を検知(ワイドバンドO2センサー)して、ガソリン量を決めるので、空燃比が大きく変わっても瞬時に制御されます。

極めて性能の高いコンピュータです。

下記のような独立吸気(ツインインジェクション)でも、ワイドバンドO2センサーを使用したフルコンでは制御できてしまいます(下図はツインテック)

ハーレー ツイン インジェクション

ただし、純正コンピュータ以上のセッティング項目がフルコンには備わっているので、チューニングするには高いスキルが求められます。

シャシダイで空燃比を計測していると、薄くなったり濃くなったりしています。

そういった場合でもワイドバンドO2センサーを使用するフルコンなら、瞬時に補正してしまうので調子を崩すことはありません。

しかし、ワイドバンドO2センサーの補正は、制作したベースマップに対して行われるので、ベースマップより大きく空燃比が外れてしまうと、補正幅が大きくなりレスポンスが非常に悪くなります。

フラッシュチューニングにもいえますが、ベースマップの精度が高くないと、パフォーマンス、レスポンス、耐久性も落ちしてしまいます。

フルコンについては、詳細な記事がありますので、こちらの、【インジェクション 】フルコンはハーレーの可能性を最大限に引き出せるも読んでみてください。




まとめ

ナローバンド・ワイドバンドO2センサーの違いは、酸素を検知できる幅や、使用される目的が異なります。

O2センサーの違い
ハーレーのO2センサー

ナローバンドO2センサー:排ガス規制をクリアするために、理論空燃比になっているかどうかの判断に使用される

ワイドバンドO2センサー:広い範囲で空燃比を検知できるため、チューニングやフルコンの補正のために使用される

インジェクション車両は「できるだけ多くの正確なセンサーがあるかどうか」が、ポイントになるので、ワイドバンドO2センサーを使用したコンピュータは、緻密で広範囲な制御が可能になります。

インジェクションチューニング全般を知りたい場合は、こちらの、【最新インジェクションチューニング】馬力から費用や車検まですべてを解説!も読んでみてください。

 

今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

ARIGATO BIKE

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