- インジェクションチューニングしたいけど、どれを選んだらよい?
- チューニング費用はどれくらいするの?
- どのチューニング方法でも、車検に受かるの?
- 自分でチューニングできる?
こういったインジェクションチューニングの疑問にお答えします。
インジェクションチューニングの機器って、種類が多くてどれが自分にあっているのかわからないですよね。
人に相談しても、みんなそれぞれだったりするので、さらに迷ってしまうし専門用語も多くて理解するのも大変です。
この記事の「インジェクションチューニングを比較する」を読めば、あなたのハーレーにぴったりなインジェクションチューニングを選べるようになります。
それでは、あなたに合うインジェクションチューニングを、画像やイラストを添えて解説していきたいと思います。
おすすめはフルコンかフラッシュチューニングの2択
インジェクションチューニングは以下の3種類があります。
- フルコン:純正コンピュータを、社外コンピュータと、ワイドバンドO2センサーに変えてチューニングする
- フラッシュチューニング:純正コンピュータと、ナローバンドO2センサーを使用してチューニングする
- サブコン:純正コンピュータからでる信号にサブコンを通して信号を変更する
※O2センサーは、マフラーから排出される酸素を検知するためのセンサーです
サブコンはしないよりか良いという程度で、エアクリーナー、マフラーを変えてまともな燃調ができるほどの機能は持ち合わせていません。
フルコンとフラッシュチューニングの2択です。
フルコンとフラッシュチューニングの比較
フルコンとフラッシュチューニングのどちらが良いか迷うと思います。
そこでインジェクションチューニングの比較の前に、まずはインジェクションチューニングの選び方の基準を簡単に解説したいと思います。
インジェクションチューニングを選び方の基準は、実はたったの3点しかありません。
- 何年くらい乗るか?
- どれくらい性能と味わいを引き上げたいか?
- チューニング費用
意外とシンプルですよね。
でも、この3点をチェックすれば、あなたに合うインジェクションチューニング方法が見つかります。
ハーレーに何年くらい乗るか?
ハーレーの寿命は一説によると60年と言われています。
本人がずっと乗るケースは少ないと思いますが、日本でも60年以上前のハーレーが元気よく走っていますよね。
純正パーツは手に入りませんが、社外パーツが手に入るため、メンテナンス次第で長く乗れたり、古いパーツをロングライフにする技術もあります。
自分のハーレーをこれからも長く乗るつもりであれば、フルコンの方が合っていると思います。
その理由はメンテナンスが楽で費用がかからない為です。
長く乗ればエアクリーナーやマフラーを、何度か交換したりする事がありえます。
もちろん車検もあります。
キャブレターであれば、マフラー交換しても負圧でガソリンが運ばれるので、微調整で対応できたり、カスタムショップに電話したり友人に聞けば自分で調整ができてしまいます。
しかし、フラッシュチューニングの場合は、他のマフラーに交換するたびにシャシダイに乗せてチューニング代金を払います。
ダウンロードタイプでも数万円の費用はかかります。
(シャシダイに載せずにデータのみをいれる)
ノーマルデータに戻す場合も、費用がかかるケースがあります。
フルコンであれば、レース用マフラーからノーマルマフラーに変更しても、他のメーカーのマフラーに何回変えても、ワイドバンドO2センサーを使用して瞬時に調整されるので、費用がかかりません。
※O2センサーは、マフラーから排出される酸素を検知するためのセンサーです。
でも、長い年数乗る予定がなく、何回もエアクリやマフラーを交換することがない場合は、フラッシュチューニングがベストだと思います。
通常販売されているエアクリーナーとマフラー、ハイカムのライトチューンであれば、フルコンもフラッシュチューニングも性能に差はありません。
費用もフラッシュチューニングの方が5万円ほど安くなります。
どれくらい乗るかの検討がつけば判断はしやすいと思います。
- 長く乗って、エアクリーナーやマフラーを何度か交換したり、大きなカスタムをする可能性がある場合は、フルコンが性能面や費用面でもベスト
- そうでなければ、フラッシュチューニングが費用も抑えられて、マフラー・エアクリーナー・ハイカムなどのライトチューニングであれば、性能も変わらないのでフラッシュチューニングがベスト
フルコンについては、詳細な記事がありますので、こちらの、【インジェクション最高峰のフルコン】ハーレーの性能を極限まで引き上げろ!を読んでみてください。
ハーレーの性能と味わいをどれくらい引き上げたいか?
エアクリーナーにマフラー、ハイカム程度であれば、フルコンもフラッシュチューニングも性能に差はありません。
しかし、大幅に性能や味わいを上げたい場合は、純正コンピュータを使用するフラッシュチューニングでは設定できる項目が少ないため、ベストなチューニングは困難です。
- ボアアップ・ストローカー
- ヘッドチューン・圧縮比変更・インテーク、エキゾーストバルブ径変更
- モディファイドカム
- ビッグスロットルボディ・ツインインジェクション
- ピストン・ヘビーウエイトフライホイール
- ターボ・スーパーチャージャー
上記のようなカスタムは、単体ではフラッシュチューニングでも性能を十分に発揮できるカスタムもあります。
しかし、複合的にチューニングし、性能や味わいを最大限引きあげるためには、フルコンの方がセッティング項目が多いためベストといえます。
フルコンは、酸素を検知する幅が広い「ワイドバンドO2センサー」を使用するため、あらゆるチューニングパーツでもチューニング技術があれば理想通りのセッティングを出せます。
- ナローバンドO2センサー:純正コンピューターを使うフラッシュチューニングで、使用される検知幅がせまいセンサー
- ワイドバンドO2センサー:社外コンピューターに交換するフルコンで、使用される検知幅が広いセンサー※フラッシュチューニングは、チューニング中のみワイドバンドO2センサーを使用します
下図のような、ツインインジェクションシステムも、高度なチューニングができるフルコンと、ワイドバンドO2センサーで完璧に近い制御が可能になります。
O2センサーについては、詳細な記事がありますので、こちらの、【ハーレーのインジェクション知識】O2センサーとは?故障の原因や外し方も説明を読んでみてください。
インジェクションチューニングの費用
ショップにより価格・サービスは異なりますが、一般的に以下の金額ぐらいはかかります。
チューニング機器+チューニング+取り付け工賃
- フルコン:20万円前後
- フラッシュチューニング:12万円~17万円
インジェクションチューニングで人気のFP4も、マフラー・エアクリーナーを持ち込みでチューニングしても、オイル代などすべて含めての支払額は20万円ほどかかります。
フラッシュチューニングは、パワービジョン以外はノーマルデータに戻す場合にも費用がかかるケースがあり、他のマフラーに変えた場合も再度チューニング料金がかかります。
ダウンロードタイプでも数万円の費用はかかります。
(シャシダイに載せずにデータのみをいれる)
高いイメージがあるフルコンの場合は、ノーマル・レースマフラー・音量調整マフラーでも、再チューニングの必要ないので、長い目でみると安くなります。
- ハーレーに何年くらい乗るか?
- どれくらい性能と味わいを引き上げたいか?
- チューニング費用
長く乗って、エアクリーナーやマフラーを何度か交換したり、大きなカスタムをする可能性がある場合は、フルコンが性能面や費用面でもベストです。
エアクリーナーとマフラーを交換して、車検時に戻すのみなら、FP4などのフラッシュチューニングがベストです。
さらに詳細を知りたいかたは下記の項目も読んでみてください。
インジェクションューニングの費用・サポート・性能などの徹底比較!!
フルコン | フラッシュチューニング | |
メーカー | ・サンダーマックス ・ツインテック | ・ダイレクトリンク・パワービジョン ・バンス&ハインズFP4 |
O2センサー | 広範囲を検知できるワイドバンドO2センサー ワイドバンドO2センサーの代金は、総額に含まれる。 | ナローバンドO2センサーは理論空燃比付近のみ検知する チューニングのためにワイドバンドO2センサーが使用できるようにマフラーを加工する必要がある。 12,000円程度 |
機器の価格 | 150,000円程度 | 50,000円~80,000円程度 |
取り付け& チューニング | 50,000円~60,000円程度 | 75,000円~100,000円程度 |
総額 | 200,000円前後 | 120,000円~170,000円程度 |
サポート | ・設定&電話サポート ・ツインテックはバージョンアップなどの永久サポートあり | ・設定&電話サポート6ヶ月間 |
機器保証 | 半年~1年 | 半年~1年 |
再チューニング | エアクリ・マフラー交換程度なら再チューニングの必要はない | ・ゼロからのマップ制作になるので正規料金がかかる ・ダウンロードタイプでも数万円の費用はかかる ・パワービジョンは最大8個のチューニングデータが保存が可能 |
性能 | 大幅に性能やテイストを変える場合は、セッティング項目が多いフルコンの方が性能を引き出しやすい | エアクリ・マフラー・ハイカム程度なら、フルコンと同等の性能を発揮する。さらにカスタムする場合はフルコンの方が設定できる項目が多いため性能は優れている |
車検 | ノーマルマフラーに戻すのみ | アイドリングもチューニングしている場合は、ショップに確認が必要ですが、ほとんどのケースでそのままで合格します。 パワービジョンであれば、タッチパネルでノーマルデータに戻せる |
インジェクションチューニングのサポート体制
フラッシュチューニングの正規品は、メーカー保証などはありますが、セッティングに関するサポートなどは購入したショップのみです。
他店で購入した場合はサポートは受けられず、他店にチューニング依頼をした場合は、割高に設定されています。
その点、フルコンのツインテックは全国でネットワークを組んでいて、バージョンアップなどで、半永久的に機能追加や性能、信頼性の向上を、日本全国でサポートが受けられます。
ハーレーのチューニング機器は非常にレベルの高いものが多いですが、日本での保証やサポート体制は、並行輸入品もあるためショップによってまちまちです。
こういったところは、他の業界と比べ遅れていてまだまだ成熟していません。
チューニングしたデータなどのソフトウェアは、制作したら終わりではなく、むしろ、その後の運用のほうが大切。
バージョンアップで機能追加や性能、信頼性の向上などを行い、ユーザーにとって長い付き合いになるハーレーを、常に最新の技術で最適な状態にする。
このような体制を、フラッシュチューニングでも組んでほしいと感じています。
インジェクションチューニングの車検
車検では、アイドリング時の排出ガスの検査を行います。
フルコンであればノーマルマフラーに戻すだけで基準値を下回る値で合格できます。
フラッシュチューニングの場合は、アイドリングのチューニング次第なので、チューニングしたショップに確認が必要です(通常はそのままで合格する)
パワービジョンであれば、ノーマルデータを含め8個のデータを保存できるので、簡単にノーマルデータに戻せます。
フルコンとパワービジョン以外はショップやメカニックに確認が必要です。
フルコンもエアクリーナー、マフラー、ハイカム程度であれば問題はありませんが、大幅にカスタムしている場合はショップに確認してください。
基本的に車検はアイドリングの検査なので、ノーマルマフラーであれば、どの機器でもチューニングしだいで合格します。
自分でインジェクションチューニングするデメリット
結論から言うと、個人で満足いくセッティングを出すのは極めて困難です。
バンス&ハインズのFP4は「スマホで燃調」などの広告を見ますが、けっして簡単ではありません。
チューニングは、回転数とアクセル開度の組み合わせを考える必要があるので、走行して確かめるのは極めて困難です。
他のチューニング機器も同じですが、自分でチューニングしても、シャシダイに乗せないと状態がわかりません。
オートチューンもナローバンドO2センサー(酸素の検知幅が狭い)を使用するので、自動で最適な状態にはなるのは困難と言えます。
最適な状態になったと感じても、最終的にはバイク用品店などに行ってシャシダイに乗せてデータをとる必要があります。
そのデータを読み取ってチューニング機器に、パソコンやスマホでフィードバックできる技術や経験があれば良いですが、何度も行う必要があるのでコストが高く付きます。
もちろん、そういったことを楽しめれば最高に面白いと思います。
ただし、コストを抑える目的であれば、購入したショップでチューニングだすのが、一番コストが抑えられハーレーの調子も良いです。
ショップまで距離が遠いなど、なかなかチューニングができない場合は、電話・メールサポートがしっかりしているショップで日本の正規品の購入をおすすめします。
正規品を購入しても、購入店以外ではサポートは受けられないので、シャシダイを持っているショップで最初からチューニングしてもらうのが、費用も抑えられ多くの面でベストです。
インジェクションチューニングで、唯一全国のネットワーク店でサポートを受けられるのは、日本の総代理店サンダンスが取り扱っているフルコンのツインテックのみです。
フルコンのサンダーマックスはBURNが日本で唯一のディーラーですが、電話や技術的なサポートはバーンでの購入者に対してのみです。
フルコンについては、詳細な記事がありますので、こちらの、【インジェクション 】フルコンはハーレーの可能性を最大限に引き出せるを読んでみてください。
どこのショップでインジェクションチューニングすればよいか?
近くにシャーシダイナモの設備があるハーレーのカスタムショップがあればベストですが、シャシダイがあるショップの方が少ないです。
多少遠くても、ツーリング感覚でチューニングできるショップまで行くのが、ベターだと思います。
ただ、シャシダイがなくても、日本で制作した豊富なデータを共有しているショップだったりすれば、ダウンロードである程度のマップは手に入るので相談してください。
フラッシュチューニングのマップ精度については、詳しくはこちらの、【フラッシュチューニング】データの精度はどれがベスト?を読んでみてください。
ツインテックのネットワーク店であれば、信頼できるデータはもっているので、シャシダイがなくても問題はありません。
まとめ
ここまで「おすすめのインジェクションチューニングを比較する」について解説いたしました。
■インジェクションチューニングの主流
- インジェクションチューニングは、フルコンとフラッシュチューニングが主流
■インジェクションの費用
- フラッシュチューニングよりもフルコンの方が、5万円ほど費用は高い。
- フラッシュチューニングで長く乗り続ける場合は、マフラー交換やカスタム、車検などで費用がかかるため、長くのり続ける場合はフルコンが安くなるケースがある。
- 長く乗らなかったり、なんどもマフラー交換しなかったり、大幅なカスタムをしないのであれば、フラッシュチューニングが費用もおさえられてベストです。
■インジェクションの性能面
- マフラー・エアクリーナー・ハイカム程度であれば、フルコンもフラッシュチューニングも性能差はない。それ以上のカスタムをしたい場合はフルコンの方が性能面で優れている
- フルコンは、異なるマフラーをつけても、瞬時にセッティングを合わせてくれるほど、高い処理能力と検知能力で、どのようなエンジンチューニングでもベストなセッティングが可能
- フラッシュチューニングで、大幅にカスタムする場合は、純正コンピューターでは設定できる範囲がフルコンとくらべて限られるので、性能をだしきれない
■インジェクションの車検
- 車検は、フルコン・パワービジョンならノーマルマフラーに交換すればクリアできる
- フラッシュチューニングは、アイドリングのチューニング次第なので、ショップやメカニックに確認が必要(通常はそのままで受かるケースが多い)
インジェクションチューニングは性能を大幅にあげたり、味わい深いものに出来たり、ハーレーの魅力を引き上げてくれる頼もしいチューニング方法です。
新しいテクノロジーが投入されている分野なので、年々面白みが増しています。
ぜひ、魅力あるインジェクションのハーレーで、気持ちの良いツーリングをしてください。
今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ARIGATO BIKE
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