エンジン特性を変える重要なポイントが、マフラーの長さと太さです。
- 太いマフラーにしたら、抜けが良くなって低速トルクがなくなった!
- マフラーの太さで性能って変わるの?
こういった疑問にお答えします。
マフラー径の太いか細いかで、下記の特性があげられます。
- 太いマフラーは馬力型:中回転から、強い馬力が発生する
- 細いマフラーはトルク型:中回転まで、強いトルクが発生する
良く言われるのが、「太いマフラーに交換したら、抜けがよくなって低速トルクがなくなった」ということを聞きますし、感じた方もいると思います。
しかし、じつは逆で抜け悪くなります。
マフラーには抵抗(背圧)があるとパワーがでる
太いマフラーに変えると、抜けが良くなって低速トルクがなくなるのではなく、抜けが悪くなって低速トルクがなくなります。
イメージでわかりやすいのが、ゴムホースです。
ゴムホースで水を流しているときに、ゴムホースをつぶすと水の勢いが強くなります。
マフラーも同じで、低回転では太いマフラーより、細いほうが排気の流れが強く速いです。
これが背圧と言われるものです。
太いマフラーは、低回転時は背圧が弱く、十分な流速が発生しないので、シリンダー内に、すばやく多くの混合気が入ることができません。
結果、低速トルクが落ちるということです。
排気される燃焼ガスは、吸気される混合気とくらべると、数倍の大きさになって排気されます。
数倍になった燃焼ガスが、背圧によって流速が発生してスムーズに排気されます。
スムーズに排気されれば、燃焼室内にスムーズに混合気が入ることができ、強い燃焼圧力がうまれ馬力・トルクがあがる
ハイカムのオーバーラップは、この流速を利用してパフォーマンスをあげます。
※オーバーラップ:吸排気バルブが両方ともに開いている状態
マフラーは細いほうが全域で流速が速いのか?
細いほうが低回転時には流速が速いですが、高回転時には抵抗が増えすぎて、シリンダー内に十分な混合気が入ってくることができず、パワーが持続しません。
高回転時は太いマフラーのほうがパワーアップする
ゴムホースをつぶすと勢いは増しますが、蛇口をさらに回しても、今度は逆に抵抗が強すぎて水が出てこれません。
つぶすのをやめると勢いが増します。
マフラーも同じ原理です。
マフラーもおなじで、高回転時は太いマフラーのほうが、すばやく排出されるのでパワーがでます。
マフラーは見た目で低回転向きか、高回転向きかわかる
- 太いマフラーは馬力型:中回転から、強い馬力が発生する
- 細いマフラーはトルク型:中回転まで、強いトルクが発生する
まとめ
どちらにしても、エンジンがより強いトルクを発生するためには、シリンダー内にすばやく多くの混合気を取り込めるかという、充填効率によって決まります。
排気量が大きいほうがパワーが出るのは、みなさんのご存知の通りです。
同じ排気量なら、燃焼室にすばやく混合気が入る方が、パワーがでる
マフラーの太さによって排気される流速が異なるため、エンジン特性が異なる
- 太いマフラーは馬力型:中回転から、強い馬力が発生する
- 細いマフラーはトルク型:中回転まで、強いトルクが発生する
マフラーを選ぶさいには、さまざまな方向から検討すると、面白くなると思います。
すべてを満たすマフラーはないので、なにを優先するのかを決め、吟味することをおすすめします。
機械はある程度、見た目で判断できるものが多いです。
無駄なコストをかけずに、ぜひ最高に気持ち良いハーレーにしあげてください。
今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ARIGATO BIKE
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