ハーレーで高出力を狙う場合は、排気干渉と無縁の独立管がベストです。
どのエンジン型式でも排気干渉のあるマフラーは、抜けが悪くなり吸気効率が下がってしまいます。
ハーレー用の2in1で絞りの強いマフラーは、デザインや音質を優先したマフラーが非常に多いです。
しかし、排気干渉は出力においてはデメリットが多いですが、アメ車のV8や水平対向エンジンなどのドロドロ音は、排気干渉が生んでいるので音質の面ではメリットはあります。
ハーレーは音質に加えてデザインも重要なります。
今回は、独立管の出力面のメリットについて解説します。
排気効率をあげるには排気干渉をさける
マフラーは抜けが良いほど、排気効率が高くなり、それにともない吸気効率も上がります。
エンジン出力は吸気できる混合気の量で決まります。
つまり、たくさん排気できれば、たくさんの空気を吸気できるので、エンジン内が混合気がで満たせます。
上図の集合部では排気ガス同士がぶつかり、その箇所の圧力が高まり排出されにくい状態になります。
どちらかのエキゾーストバルブが完全にしまっている状態で、排出されれば排気効率は高くなりますが、排気の重なるタイミングがあると吸気効率も下がります。
同軸クランクのハーレーにとって、2in1の絞りの強いマフラーは排気干渉が強く、吸気量を増やせないため、出力においてメリットは少ないです。2,000~3,000回転辺りでパワーの谷も発生します。
集合管のメリットがあるエンジン形式は、排出タイミングが異る4気筒エンジンです。
排気干渉させずに集合させ、お互いに排気の流速を高められるからこそ、しぼるメリットがあります。
独立管は排気干渉と無縁なので、パイプ径・長さなどでパフォーマンスを変えるには適している。
バンク角を稼ぐためには2in1の方が上げやすいので、その場合は集合部を絞らない形状にすれば、バイクの運動性能も上げられます。
高回転のみを使用する場合は、太くて短いエキパイが必要
たとえば、ドラッグレースのようなシンプルなレースでは、距離が決まっているので使用回転域も決まってきます。
使用回転域が決まれば、その回転域で排気効率が高くなるように設計します。
排気脈動の波長は、エキパイの太さと長さで決まります。
- エキパイが短ければ波長は短く、長いと波長も長くなる
- エキパイが太ければ波長は短く、細ければ波長は長くなる
つまり太くて短いエキパイなら、高回転で出力が高くなる。
排気脈動とは、エキゾーストバルブが開閉るすことにより、エキパイの中で圧力の高い箇所と、低い箇所が生まれる
反対に低速トルク重視であれば、エキパイは細く長くする。
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上記の傾向を知っていれば、見た目でマフラー性能が推測できたり、製作依頼する場合も参考になると思います。
ただ、ラバーマウントモデルは管長を長くしにくいのが難点です。
ラバーマウントは、エンジンと車体で異なる振動を起こすので、長いほどステーや溶接箇所にクラックが入りやすくなります。
まとめ
独立管でも2in1でも排気干渉がなければ、パイプ径や長さの調整で高出力は出しやすいです。
・高回転・高出力向き
・低速トルク向き
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排気干渉は車も含めて、干渉させないように集合させますが、スバルのボクサーエンジンのようにドロドロ音をだすには、排気干渉が必要です。
ハーレーは音質に加えて、デザインも求められますので、排気干渉をうまく利用するメリットも多くあります。
音質についてはこちらの、重低音からレーシーなサウンドまでのマフラー選びで、詳細に解説しています。
今回は出力のみに絞りましたが、公道仕様であれば消音・排出ガス対策が加わります。
今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ARIGATO BIKE
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