エンジンの馬力は、吸気できる空気の量で決まり、最大出力空燃比で燃焼できれば最大出力となります。
空気は圧力差で移動するので、シリンダー内を真空状態にできれば、1気圧いれることができます。
これが吸気できる基本的な最大値です(慣性効果は除く)
温度が高いと空気の体積が増えるので、出来る限りエンジンの熱の影響を受けない吸気口がベストです。
SSはヘッドライト周辺に吸気口を設置し、エンジンの熱を受けないようにし、加えてラムエアシステムを取り入れています。
吸気口から入った空気を、エアクリーナーを通して直線的に燃焼室に入れるダウンドラフトを採用しています。
V-RODも、4バルブの特性をいかすためにダウンドラフトを採用していました。
しかし、V-RODと同様の4バルブのミルウォーキーエイトは、タンクのデザイン上、ダウンドラフトを採用できずに妥協でサイドドラフトを選択しています。
4バルブエンジンの最高のポートレイアウトは、V-RODが採用していたダウンドラフトです。
空気の質量は1立方メートル=1m×1mで、およそ1kg。
空気は重い。
この空気にスピードがつくと大きな運動量を持つようになるので、急に空気を曲げようにも曲がってくれません。
この運動量をもった空気が、シリンダーまでの間の突起物などにより、渦(縮流)を巻いてしまったらシリンダー内に入ってこれません。
可能な限りなめらかにして、渦により損失が増えないようにしなければなりません。
壁面近くは川の流れと同じように流速が落ちるので、口径は十分に考慮する必要があります。
エンジンの馬力アップの課題は、空気の損失をなくすことです。
エンジンが出来上がったら、モーターでピストンを動かして、どれだけ空気を吸えるか確認します。
この空気の量を測れば、実際にどれくらいの馬力を出力できるかは推測できます。
燃焼されたあとに排出される排気ガスは、体積が増えているので、圧力差で自然と出ていきますが、吸気はそう簡単に入ってきてくれません。
排気量アップで馬力は上がりますが、いくらでも排気量を上げられるわけではありませんし、ハイカムでリフト量を最大に上げたり、デュレーションを多くとるほど馬力が上がるわけでもありません。
エンジンの出力アップに、吸入空気量を増やすことを避けることは出来ません。
ミルウォーキーエイトの馬力アップのポイントはハイカムも大事ですが、エンジンの核は燃焼室・バルブシート・ポート形状です。
ハイカムに変えずに、低いリフト量で一気に吸気させたほうが、待ち時間がなく効率が高い。
ミルウォーキーエイトの馬力アップは、ハイカムでしか成功できていないと思いますが、技術と情報の蓄積が多くなってくれば、4バルブの楽しいハーレーが出来上がり、ツインカム以上に面白くなると思います。
エンジンの馬力は吸気できる空気の量で決まり、最大出力空燃比で燃焼できれば最大出力となります。
エンジンの核は燃焼室・バルブシート・ポートです。
今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ARIGATO BIKE
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