機械工学

なぜ、慣らしは丁寧に行う必要があるのか?わかりやすく説明!

ワイセコ ピストン

慣らしのやり方は多くの情報が流れている為、わかりにくいと思います。

エンジンを開けて確認できれば良いのですが、確認することは困難ですよね。

製造時の金属の状態や、熱による金属の特性を知れば、どういう慣らしが良いのかイメージがつきやすいと思います。

この金属の特性を知りながら慣らしを行うと、フリクションの少ないエンジンになります。

フリクションが低下したエンジンは、下から上までスムーズに気持ちよく回り、耐久性も上がったエンジンに変わります。

それでは金属の特性といっしょに慣らしの方法を紹介します。

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なぜ、性能維持と寿命の為に、ていねいに扱う必要があるのか?

ミルウォーキーエイト 慣らし

新品のピストンにはバリが存在しています

精密な製造をされているピストンでも、ミクロン単位でみるとバリがあります。

ピストンは、アルミを削り製造されます。

ピストンのスミを削るときに肉のつき方の問題で、少しスミがあがってしまいます。

このあがった部分がバリです。

ピストンがシリンダー内で上下運動すると、このバリに大きなストレスがかかります。

焼き付くことはありませんが、バリが綺麗に慣らされないと、オイル上がりや燃費悪化の原因になったり、パフォーマンスにも影響が出ます。

ピストンは真円ではなくギザギザ

ピストンを上からミクロン単位でみると、真円ではなくギアのように、ギザギザになっています。

始動時のアイドリングで、ピストンは1秒間に20往復もしています。

ストレスの大きさが想像できると思います。

まず初期慣らしで、このギアのようになっているピストンのバリをなくします。

慣らし中の金属は豆腐のようにゆらゆらしている

シリンダー内で、上下運動しているピストンは、水のなかにある豆腐のようにゆらゆらと変形を続けます。

ピストンは熱で変形を続け、おなじ形を維持する事はありません。

ピストン以外の金属も同じです。熱で金属は豆腐のように変形していきます。

こちらのボルトはバネだった!?でも書きましたが、金属は力や熱で簡単に変形します。

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熱をいれると、円形のピストンの一部がふくらみ楕円になります。

ピストンの上下運動により、その箇所が擦れて慣らされる。

冷やして収縮し、また熱をいれると、前とは異なる箇所がふくらみ、その箇所が擦れて慣らされる。

この繰り返しを行うと、豆腐のようにゆらゆらと変形していたピストンが、真円に近づいてきます。

この状態になれば、慣らしが終了です。

この作業が慣らしです。

※”金属は熱により変形する” 事を伝えるために、だ円という言葉を使用していますが、ピストンはもともと ”だ円やたるで設計されていたり、オフセット、材質、鋳造・鍛造による熱膨張の違い” なども専門的すぎると考え必要な説明ですがあえて省かせてもらいました。




熱膨張と収縮を利用した慣らしかた

金属の熱による変形を利用して、膨張と収縮を繰り返す走行を行う。

慣らしの時間

金属の変形目安
膨張1時間走行
収縮30分止めて冷やす

1時間走って30分止める、この走行を繰り返す。

エンジンオイル・オイルフィルター交換タイミング

800km・1,500km・3,000km

慣らしが終了すると、どのような変化がおきるのか?

3,000kmの慣らしを行ったシリンダーとピストンは、フリクションが低下して、とてもスムーズに動きます。

これはシリンダーとピストンだけでなく、すべての金属の組み合わせも無理がなくなります。

慣らしの熱で、金属が収縮と膨張を繰り返し、徐々に整って収まりが良くなります。

冷えた状態で組まれたパーツがなじんで、綺麗に収まってくると、すこし無理があった箇所にすき間ができ、オイルにじみが発生します。

初回点検で、オイルにじみが発生しやすいのは、こういった理由からです。

初期のオイルにじみは、良い慣らしの証拠ともいえます。

よい慣らしをしたハーレーは、万が一オーバーヒートになっても、焼き付く可能性が低くなります。

ハーレーを購入したらやはり、大事に長く乗りたいものですし、オーバーホールしたら、更に良い状態を保ちたいと思います。

この金属の特性を知って慣らしを行うと、とても興味深い楽しい時間になり、我慢の走行にはならないと思います。

 

今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

ARIGATO BIKE

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