機械工学

ミルウォーキーエイトの馬力は4バルブではなく2バルブが高い!?

ミルウォーキーエイトの2バルブ化
  • ミルウォーキーエイトは、歴代最高のエンジンなのか?
  • 同じ排気量ならツインカムよりもパワー、トルクは全域で上なのか?
  • ロングストロークエンジンでは、2バルブはベストではないのか?
  • 全域でパワーを出したいが、ベースのエンジンは良いのか?

こういった疑問にお答えします。

同じ排気量なら、ミルウォーキーエイトよりもツインカムの方が全域でパフォーマンスを発揮すると思われます。

私はミルウォーキーエイトの素晴らしいポテンシャルを感じ、そのポテンシャルを引き出せると思ったら増車する予定です。


今回の2バルブ化がミルウォーキーエイトではベストだろうと感じたので、増車の可能性が一気に上がりました。

その内容をお伝えしたいと思います。

現在、ツインカムエンジンをミルウォーキーエイトエンジンが全域で上回ることが困難な理由に、1点あげられます。

ツインカムが ”2バルブ” なのに対して、ミルウォーキーエイトエンジンは ”4バルブ” を採用している点です。

ハーレーのようなロングストロークエンジンに最適なバルブ数は、ツインカムが採用している ”2バルブ” です。

加えてミルウォーキーエイトの4バルブは、ツインカムと同様の横から吸気するサイドドラフトを採用しているため、吸気効率で2バルブのツインカムを上回ることは困難になります。

4バルブエンジンの最適なポートレイアウトは、ハーレーダビッドソン社がV-RODで証明したようにエンジン上部から吸気するダウンドラフトです。

横から吸気するサイドドラフトを採用するなら、ツインカムの2バルブの方が全域で吸気効率が高くなります。

ミルウォーキーエイトの最高の吸気方法は2バルブ

4バルブエンジンでは上から混合気を吸気するダウンドラフトで、シリンダー内に縦うずのタンブルを発生させるのが、もっとも吸気効率が高い方法です。

エンジン出力は、吸気できる混合気の量で決まるため、吸気効率はきわめて重要なポイントです。

つまり、ミルウォーキーエイトはV-ROD同様にダウンドラフトにするか、2バルブにしない限りツインカムの吸気効率、パワー、トルクを全域で上回ることは難しいと思います。

※M8がダウンドラフトを採用しないのは、タンクとフレーム(ダブルクレードル)のデザイン上の問題だと思います。

よって全域でパワーが必要であれば、M8よりも2バルブのツインカムエンジンを選択するか、M8を2バルブにしたほう良いと思います。

2019年8月時点では、ミルウォーキーエイトの2バルブ化のシリンダーヘッドは発売されていませんが、必ず発売されると思っています。

それではイラストなどを加えて詳細に説明したいと思います。

ミルウォーキーエイトの4バルブの理想の吸気はV-RODのダウンドラフト

ミルウォーキーエイトのサイドドラフトはデメリットが多い

上図の画像は、どちらもハーレーダビッドソン社の4バルブエンジンですが、混合気を吸気する方向が横と上で、性能がまったく異なります。

  • 左図:横から吸気するサイドドラフトの、ミルウォーキーエイトエンジン。
  • 右図:上から吸気するダウンドラフトの、V-RODのレボリューションエンジン。

性能はご想像どおり、右図の上から吸気するV-RODのレボリューションエンジンがはるかに勝ります。

M8は4バルブエンジンで横から吸気させるサイドドラフトのため、混合気をバルブ同士が奪い合いシリンダー内に混合気を効率よく吸気する事が困難なためです。

特に高い回転数であれば顕著に発生します。

ミルウォーキーエイトの4バルブは吸気効率が悪い

4バルブでパワーを出すなら、先述のとおりV-RODが採用した上から混合気を吸気するダウンドラフトです。

ダウンドラフトであれば乱気流が発生せずにパワーをだすことができます

ミルウォーキーエイトの最高の吸気方法は2バルブ

M8同様に横から混合気を吸気するサイドドラフトで最適なバルブ数は、ツインカムが採用している2バルブです。

ミルウォーキーエイトは2バルブがベストの吸気方法

つまり、横から吸気するサイドドラフトのミルウォーキーエイトでは、4バルブを採用するのではなく、ツインカム同様の2バルブ採用するのが吸気効率、パワー、トルク面でいえばベストなはずです。

吸気効率、パワー、トルク面でいえば、ミルウォーキーエイトは2バルブを採用するか、またはV-RODのダウンドラフトを採用するのがベストといえます。

ミルウォーキーエイトのデメリットは4バルブである

2019年8月時点では、ミルウォーキーエイトの2バルブ化のシリンダーヘッドは発売されていませんが、必ず発売されると思っています。

ミルウォーキーエイトで最高のパフォーマンスを引き出す方法は、こちらの【M8のハイハイパフォーマンス化】マフラーからハイカム、フライホイールまでチューニングを読んでみてください。

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4バルブの最高峰のエンジンは1気筒250cc程度の小排気量ショートストロークエンジン

4バルブは4気筒エンジンのような小排気量に向いている

図:CBR1000RRの4気筒エンジン

4バルブに最適なエンジンは1気筒あたり250cc程度の小排気量のショートストロークエンジンです。

代表的なのは1000ccの水冷4気筒エンジンです(CBR1000RR、YZF-R1など)

4バルブエンジンは小排気量の4気筒エンジン

SSは4バルブエンジンで高い吸気効率のダウンドラフトを採用しています。

ミルウォーキーエイトはダウンドラフトが最適

図:ダウンドラフトの概念図

4バルブのダウンドラフトはシリンダー内で”縦うずのタンブル”を発生させることで、効率よく吸気をさせることができます。

ショートストロークエンジはタンブルでロングストロークはスワールが最適

図:4バルブショートストロークと2バルブロングストロークの、乱気流を発生させない効率の高い吸気方法の概念図

さらに、ショートストロークは同じ回転数であればロングストロークよりもピストンスピードを抑えられ、かつピストンの移動量を短いためエンジンの負担が少なくなります。

ショートストロークは、同じピストンスピードなら多く回転させることができ、パワーを上げることが可能になります。

ショートストロークエンジンのメリットはパワー面で極めて大きく、ハーレーとはまったく異なるエンジン特性をもたせることが可能になります。

低回転向き(ハーレー)高回転向き(SSなど)
圧縮比低圧縮(ローコンプ)高圧縮(ハイコンプ)
フライホイールヘビー:味わい深いライト:俊敏なレスポンス
ストロークロング:多くの混合気を一気に吸気できるショート:少ない混合気を回転数でおぎなう
パワー(馬力)低い:高回転まで回せない高い:高回転まで回せる
低速トルク強い:粘りのあるトルク弱い:低い回転数では弱い

SSはエンジンの温度を一定に保てる水冷なので、ハーレーで発生しやすいプレ・イグニッション(高い圧縮比が原因)が発生しにくいため高い圧縮比が実現できる。

高い圧縮比は取り出せる仕事量(熱効率)が大きいため、SSではハイパワーを発揮させることが可能になります。

ハーレーの粘りのある低速トルクを出すには詳細な記事がありますので、こちらの、【ミルウォーキーエイト】本物の鼓動感をフライホイールで強くする!を読んでみてください。

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なぜ、ハーレーの新型エンジンミルウォーキーエイトはミスマッチともいえる4バルブを採用したのか?

ミルウォーキーエイトは、厳しい排出ガス規制をクリアするために、4バルブ化したと考えられます。

4バルブのサイドドラフトは吸気効率は悪いが、乱気流のおかげで低中回転での混合気のまざりが優れているともいえます。

厳しい排ガス規制をクリアするためには4バルブ化が適していると考えたのでしょう。

しかし、パフォーマンス面でいえば、4バルブのロングストロークでは乱気流が発生してしまうため、全域で効率の高いエンジンを求める場合は、ツインカムの2バルブエンジンが吸気効率、パワー、トルクでは優れているといえます。

まとめ

ここまで、ミルウォーキーエイトの4バルブと2バルブについて解説いたしました。

以下に、ポイントをまとめています。

  • 4バルブを採用するならダウンドラフトがベストの吸気方法(H-D社がすでにV-RODで証明している)
  • ミルウォーキーエイトをダウンドラフトにするにはタンク(フレーム含め)のデザイン上、困難といえる。
  • サイドドラフトで吸気させるのであれば、ロングストロークエンジンではツインカムが採用している2バルブが、全域で吸気効率、パワー、トルク面は優れている。
  • 4バルブはダウンドラフトのショートストロークで本領発揮し、ハーレーのロングストローク、サイドドラフトではミスマッチで全域でパワーを出すのは難しい。
  • ハーレーが4バルブエンジンを採用したのは、厳しい排ガス規制をクリアするためと考えられる。

まだまだ、ミルウォーキーエイトは発展途上のため、今後どのような可能性を見せるかわかりませんが、ミルウォーキーエイトの2バルブ化はありえると思います(H-D社以外で発売)。

今後もミルウォーキーエイトの発展を期待したいと思います。

 

今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

ARIGATO BIKE

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