レースに勝つために誕生した、スポーツスターの「エボリューションエンジン」を紹介します。
スポーツスターのエンジンは、1931年にWLが登場し、レースに勝つためのレーサーバージョンのWR、そして52年にKモデルに受け継がれました。
また、KモデルのレーサーバージョンのKRが、今のXLスポーツスターの元祖です。
すべてのレーサーバージョンにRの称号が与えられます。
2008年モデル~2011年モデルまで販売された、XLのレーサーバージョンのRが、XR-1200とXR-1200Xです。
スポーツスターは、レースを戦うために生まれたモデルで、初心者向けのバイクではないことは、歴史を見ればあきらかです。
実際、走りとなったら間違いなくスポーツスターの方が楽しくて速い、XL1200ならハイカムとヘッドチューンで、約90馬力は後軸で発生します。
883もチューニング次第で80馬力は狙え、しかも、あの883独自のロングストロークのフィーリングを残したままでパワーを得れます。
ハーレーはクランクピンを、2つのピストンで共有する同軸クランクを採用しているので、883のロングストロークエンジンはチューニングで、さらに心地よくなります。
画像元:https://www.rolandsands.com
スポーツスターのエボリューションエンジンは速くさせたり、味わい深くさせようと思ったら、簡単にできるのが最大の魅力だと思います。
それでは、スポーツスターの「エボリューションエンジン」の特長と、パフォーマンスを引き出す方法を説明します。
スポーツスターのエボリューションエンジンの特長
エボリューションエンジンの最大の特長は、以下の2点があげられます。
- ギアドライブの4カム
- ミッション一体成型のクランクケース
正確な動作で高回転まで回せるギアドライブの4カム
2気筒エンジンの計4バルブで、それぞれの吸気と排気のカムが独立しています。
そのためバルブごとに異なるカムプロフィールを自由に選択でき、さらにプッシュロッドをまっすぐに運動させられるため、より正確な動作ができ、高回転まで鋭い加速が可能になります。
ビッグツインのチェーンのようにフリクションやタイムラグもなく、コンパクトで軽量フライホイールと相まって、俊敏なレスポンスがあります。
強度が高いミッション一体型クランクケース
WRから変わっていないレース仕様のため、強度を高めたミッション一体成型のクランクケース。
画像元:https://www.motorcyclecruiser.com
ミッション一体型のクランクケースの利点は、フレームとエンジンの強度を同時に確保でき、加えてエンジンの重心が集中させられる事ができるため、高い負荷でも正確なハンドリングが可能になります。
レースではリタイアとなるオイル漏れも一体型では発生しにくい。
2004年からラバーマウントになり、フレームが一回り大きく重くなりましたが「コンパクトで軽くて速い」この設計ポリシーは変わっていません。
すべてに勝つための要素が含まれています。
エボリューションエンジンのパフォーマンスの引き出し方
スポーツスターという名前に見合った性能は、現在のラインナップでは少ないですが、ポテンシャルは十分過ぎるほどあります。
883に至っては、他のハーレーよりも2割近くも、味わい深いロングストロークエンジンです。
883については、こちらの記事の【883の心地よい鼓動感】ハーレーで一番のロングストロークエンジンだったも読んでみてください。
スポーツスターのポテンシャルとフィーリングを活かしましょう。
ビッグツインだと、リジッドマウントとラバーマウントでは特性がことなるため、クリアする課題や、活かせる特性に違いがあり限度があります。
しかし、スポーツスターのエボリューションエンジンなら、ラバーマウントでもポテンシャルは簡単に引き出せます。
ビッグツインのラバーマウントのように、ミッションが別体ではないのでパワーの伝達力も高い。
吸気効率をあげるチューニングだけで大幅にパワーアップ
吸気量を増やすパーツでチューニングすれば、XL1200では100ps/7,200rpmは達成でき。
883は、あのロングストローク特有のフィーリングを活かしたまま、パワーを上げられます。
エボリューションエンジンは、腰上だけの吸気効率をあげるパーツのチューニングで、パワーやフィーリングを上げられます。
- シリンダーヘッド:ブランチヘッド スポーツスター
- カムシャフト:アンドリュース N3
- スロットルボディ:51mm HORSEPOWER INC
- ピストン:ワイセコ、JEなどの低フリクションリングを使用したピストン
- エキゾースト:抜けの良い独立管、または2in1で集合部をしぼらないタイプ
- エアクリーナー:RSD タービン(社外品で吸気効率が一番高い)
充填効率・燃焼効率の高いシリンダーヘッドや、吸気量を増やすビッグボアのスロットルボディや、ハイフローエアクリーナーで、1キュービックインチあたり1馬力以上なら簡単にだせます。
徹底的な低フリクションで最高のポートレイアウトの、エボリューションエンジン最高峰のXR-Rなら後軸で140馬力にトルク13.5kgを発生させられます。
さらに、高性能ツインショックに軽量スイングアームにバックステップなど、パフォーマンスを活かすパーツも豊富にあります。
まとめ
ここまで、スポーツスターのエボリューションエンジンについて解説いたしました。
ハーレーはレースで勝つためにスポーツスターを誕生させました。
WLの時代からレーサー仕様にはRの称号が与えられ、常にハーレーのレースシーンをスポーツスターが牽引してきました。
4カムの正確なバルブタイミングに高いエンジン強度、吸気チューニングしたら簡単にパワーがあがる。
さらに、どのハーレーよりもロングストロークで味わい深い883エンジン。
長距離ツーリングなどのクルージングはビッグツインですが、町乗りやワインディングでは間違いなくスポーツスターが最高に気持ちよく走れ、圧倒的に刺激的です。
走りを楽しむなら、4カムスポーツスターのエボリューションエンジンが最高です。
今日も、最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
ARIGATO BIKE
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